2015年3月4日水曜日

人間は生まれながらに罪深いの?

 聖書には人間が生まれながらに罪深い存在だと書かれているそうですが、それはなぜですか?



 聖書の中でも、新約聖書の中にある考えです。つまりキリスト教だけの考えであって、同じ聖書由来の宗教でも、旧約聖書(タナハ)のみを使っているユダヤ教には「人間は生まれながらに罪深い」という考えはないと思います。

 キリスト教の「罪」とは、人間の中にある神から背く性質や、神から離れて、神の意志に反した行動をすることを言います。人間は完全ではありませんから、どれほど敬虔な信仰者であっても、時には神に背いたり、神の存在を忘れたり、神の意に沿わない振る舞いをしたりします。

 神は完璧主義者ですから、こうした人間の瑕疵を認めません。すべて罪です。人間は完璧にはなれない、どこにも完全な人間はいないという点で、あらゆる人間は罪人(つみびと)なのです。

 「でもそれは神様が人間をそう作ったからだから、しょうがないんじゃないの?」と思うかもしれませんが、キリスト教はそのようには考えません。神がアダムとイブを作った時は、人間は完全な存在でした。ところが楽園の中の禁じられた実を食べるという罪を犯したことで人間は神から離反し、神に背く罪の性質が子孫にも遺伝しているのだ……と考えるのです。

 こうした神話的な説明が歴史的にも正しいわけではないかもしれませんが、人間の持って生まれた不完全さは、必ずしも神の意志ではなく人間側の責任であるといのがキリスト教の考え方になります。

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