2015年2月16日月曜日

自殺した人は必ず地獄行き?

 キリスト教では自殺が禁じられていて、自殺した人は必ず地獄に落ちるそうですね。他人を殺しても天国に行けるのに、なぜ自殺が地獄行きなのでしょう。



 キリスト教はどんな罪であれ、悔い改めによって赦されると教えています。殺人は大きな罪ですが、その罪でさえ、悔い改めることで赦されます。自殺は「自分自身に対する殺人」ということで、他人を殺すのと同じ大きな罪になります。

 しかし自殺した人は、もはや悔い改めることができませんから、赦されることなく地獄に落ちます。これが、伝統的なキリスト教が古くから教えてきた「自殺者は地獄に落ちる」の根拠です。かつては自殺者の葬儀を教会では行わず、教会の墓地にも葬らないのが普通でした。自殺はそれだけ大きな罪だと考えられたのです。

 ところが最近はこうした言い方に変化が出てきました。心身共に健康な人間が、自殺をするでしょうか。おそらく自殺をする人というのは、そこに至るまでに心身共に追い込まれ病んでいたのでしょう。

 例えばうつ病で自殺した人は、病気で死んだのだと考えます。であれば、これは「殺人」ではなく「病死」です。病死が罪になることはありません。今は自殺者でも葬儀を行いますし、教会の墓地にも葬ります。(ただしこれらは教派教団によって扱いに差はありそうです。)

 殺された人や事故で死んだ人なども、殺人を犯したわけではありませんから、それだけで地獄に行くことはありません。最終的に死者が天国に行くか地獄に行くかを決めるのは神様ですが、もしその人が生前クリスチャンであれば生前の罪を赦されて天国に行けることになっています。

 クリスチャンではない人が天国に行けるかどうかはわかりません。クリスチャン以外は地獄に行くと言う人もいますが、神様は哀れみ深い方なので、クリスチャン以外の死者についても何らかの方法で天国に入る道を用意しているかもしれません。

 しかしこれについて、明確なことは誰にも言えません。

0 件のコメント:

コメントを投稿