2015年2月18日水曜日

ピオ10世会って異端ですか?

 ピオ10世会というのは異端なのでしょうか?



 聖ピオ10世会は第2バチカン公会議で決定された典礼改革に反対する、バチカン未承認の保守的な修道会です。典礼でのラテン語の使用とトリエントミサを厳守しています。

 「異端」というのは「正統」の対立概念ですから、判断の基準は教理です。しかしピオ10世会が第2バチカン公会議以前の伝統的な典礼やミサを守ろうとしているだけなら、教理面では異端とは言えません。それを異端だと言えば、かつてカトリック教会はみんな異端だったことになります。まさかそんなことはあり得ないでしょう。

 しかし公会議の決定に従わずに独自の道を歩み、バチカンからのたびたびの指導や是正勧告にも従わず、現在主流になっている現地語での典礼や新しいミサを批判しているのですから、教会内部の政治的ヒエラルキーという点では扱いにくい厄介者なのでしょうね。

 バチカンがピオ10世会のメンバーを破門したり、それを取り消したりしているのは、バチカン内部でも会の評価が割れているからだと思います。あまり日の目を見なくなったトリエントミサを復活させようという動きも、カトリック教会内部から出てきています。

 結論ですが、この修道会は異端ではないものの、カトリック教会内部にある非主流の反体制派グループだと僕は理解しています。この修道会が将来的に公認されて、カトリック教会内で一定の安定した地位を確保する可能性がゼロというわけではないと思います。

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