2015年2月19日木曜日

キリスト教の神様より偉い存在がありますか?

 世界中にはさまざまな神を信じる宗教がありますが、そうしたさまざまな宗教をすべて統括するような、より上意の神様が存在するという話を聞きました。キリスト教では、キリスト教の神様が最高の存在ではないのですか?



 キリスト教では三位一体の神こそが最高の存在であって、それ以上の存在はありません。もしキリスト教の神以外にそれより上位の神が存在するなら、キリスト教の神はそれを知らないまま自分こそが全知全能だと思い込んでいる愚かな神です。

 じつはそのようなことを主張する異端のキリスト教が、古代には存在しました。1世紀後半から3世紀頃までキリスト教正統派にとって最大の脅威となったグノーシス主義です。

 グノーシス主義キリスト教の主張によれば、聖書に書かれている神は本当の神とは一段劣る愚かな神であり、彼は自分が最高の存在ではないにも関わらず、自分自身を全知全能だと考えていた。愚かな神は自分自身の愚かさに似せて愚かな世界を作り、愚かな人間たちは愚かな神を自分たちの神として崇拝した。しかしその愚かな神の上位にいる最高神は、この愚かな世界に閉じ込められている人間たちを哀れに思い、人間を救うためにイエス・キリストを遣わした。

 こうしたグノーシス主義の信仰は4世紀か5世紀には滅んでしまった(弾圧によって滅んだのではなく、どういうわけだか勝手に消えてしまった)のですが、その後もしばしば似たような主張をする異端が現れるようです。今回相談者さんが述べているのも、似たようなものでしょう。

 しかしキリスト教徒ならそうしたものに惑わされる必要はありません。そのような考えは、今から千何百年も前に正統派信仰に駆逐された異端なのです。「今さら何をおっしゃるやら」と笑っていればいいのです。

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