古代ヘブライ語と、古代ギリシャ語は、現代のヘブライ語やギリシャ語とは異なります。特にヘブライ語は歴史の中で生活語としては一度亡びてしまった言葉であり、19世紀末にエリエゼル・ベン・イェフダーがほとんどゼロから「復元」したものが、現在イスラエルの公用語として使用されている現代のヘブライ語なのです。
どのような言葉でも、時代や地域によって言葉の示す意味や発音、文法が異なっています。旧約聖書の古代ヘブライ語がどのように発音され、そこにある言葉がどのような意味を示しているのかを、現代のヘブライ語からうかがい知ることはできません。
新約聖書のギリシャ語についてもそれは同じで、新約聖書に書かれているコイネーと呼ばれるギリシャ語が、実際にどのように発音され、個別の単語や文章が当時の文化状況の中でどのような意味を示しているのかを現代人は正確に知ることができないわけです。
そんなわけで聖書も現代のギリシャ人やユダヤ人向けに、現代語に翻訳されたものが市販されています。
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