2015年2月18日水曜日

エホバの証人はカルト集団ですか?

 エホバの証人の方が、時々家を訪ねてきます。

 エホバの証人はカルト宗教だとも聞きますが、彼らと話をしている限りでは、とても穏やかな方々で受け答えも理性的です。輸血拒否の教義について質問しても、丁寧に答えてくださいました。聖書に興味があると言ったら、無料で聖書を差し上げますとも言われました。

 エホバの証人は本当に危険なカルト宗教なんでしょうか?



 信教の自由がありますから人がどんな宗教を信じようが勝手ですが、もしキリスト教や聖書に興味があって話を聞きたいと思っているのなら、エホバの証人はあまりおすすめできません。理由は彼らがキリスト教では少数派の「異端」だからです。

 キリスト教の中にはカトリックやらプロテスタントやら正教会やら、プロテスタントの中にもルーテルやら改革派やらメソジストやらバプテストやら、いろいろな教派が存在しています。しかしそれらは伝統的な正統派のキリスト教として、根本部分では教義の一致を保っているのです。メーカーの違うパソコンでも、OSやファイル形式などの基本的な部分で互換性があるようなものです。ひとつの教会で学んだ教えは、別の教会に行っても基本的な部分では共通しています。日本の教会で学んだ教えが、世界中のどんな教会に行っても同じように通用するのです。

 ところがエホバの証人のような「異端」というのは、こうした教えの互換性がありません。エホバの証人の聖書解釈や教えは、エホバの証人の中では通用しますが、他のキリスト教会に行けば通用しないのです。エホバの証人がそのような宗教だと知りながら、あえてエホバの証人で聖書を学ぶ必要はありません。聖書やキリスト教についての入門講座は、他の教会でも行われています。どうせなら世界のどこに出て行っても通用する、スタンダードなキリスト教を学ぶ方がいいと思います。

 エホバの証人からどのような話を聞いているかは知りませんが、子供の輸血拒否問題について世間の理解が得られているというのは大嘘です。現在医療現場では、子供が病気や事故で輸血と判断されたにも関わらず親がそれを拒否した場合、医療ネグレクトと見なして裁判所で親権を停止し、病院側の判断で輸血を行うことになっています。親権停止というのはよほどの事情がなければ認められないのですが、エホバの証人の輸血拒否についてはあっさりと認めるのです。これは医療機関や司法関係者が、エホバの証人の輸血拒否を「子供の命に関わる虐待」と見なしているからです。こうした状態のどこが「世間の理解を得られている」ことになるのか、僕にはさっぱりわかりません。

 エホバの証人が「聖書の良さ」を知ってもらいたがっているというのも、かなり疑問を持っています。彼らが用いている新約聖書は、彼ら自身の信仰に合わせて、ギリシャ語の原文には一切登場しない「エホバ」という文字を補っています。彼らが良いと思っているのは自分たちの信仰であって、聖書ではないのです。彼らは聖書の上に自分たちの信仰を立てているのではなく、自分たちの信仰に聖書を隷属させているのです。

 こうしたことがわかった上で、エホバの証人の聖書を手に入れたり、エホバの証人と聖書の勉強をするのはまったく自由です。僕自身、エホバの証人の新世界訳聖書を持っています。ただしそれ以外の聖書(文語訳・口語訳・新改訳・新共同訳・その他もろもろ)も持っていますけれどね。エホバの証人の聖書を手に入れるのであれば、一般書店で売っているスタンダードな聖書も手に入れて、あちこち読み比べてみてください。新共同訳や新改訳の新約聖書は、書店で買っても文庫サイズのものが1冊500円ぐらいで手に入ると思います。

 エホバの証人については「カルトだ」とおっしゃる方も多いですし、かつて信者だった方々もその点でエホバの証人を強く批判しています。しかし僕自身はエホバの証人の集会に出席したことがないので、この点についての判断は保留しておきくことにします。

0 件のコメント:

コメントを投稿