2015年2月17日火曜日

キリスト教の勉強法は?

 キリスト教を、聖書、歴史、思想などの面から勉強するためには、どんな本を読んで、どんな勉強をすればいいでしょうか?



 キリスト教の「勉強」ということであれば、まず新約聖書は最初から最後まで通して読んでおくことです。内容を覚える必要はありません。一度読んで内容が何となく頭に入っていれば、後から「こんなことが書いてあったはずだ」と思ったときに調べる方法はいくらでもあります。(コンコルダンスを使ったり、ネットで検索したり、電子聖書を全文検索したりします。)

 聖書の次に「使徒信条」に目を通しておきます。これはネットで検索すればすぐ全文がみつかります。全部で10数行の短い文書で、カトリックやプロテスタントのクリスチャンはこれを全部暗記しています。これを暗記できれば一番ですが、覚えられなければ紙に印刷して、聖書にはさんでおきましょう。そして時々取り出して、目を通しておきます。使徒信条はキリスト教信仰の基本的な内容がコンパクトにまとめて書かれていますので、これを土台にすると全体がバランスよく学べると思います。

 聖書と使徒信条の後は、キリスト教史(教会史)の本を読んでおくといいです。カトリック教会とプロテスタント教会の違い、キリスト教が世界の歴史に果たした役割などは、歴史を通して俯瞰して眺めると全体像がよく見えてきます。専門的な本もありますが、キリスト教学校の生徒が授業で使うような、コンパクトなテキストが何種類か市販されていますし、一般向けの本も多いです。何でも構いませんので、これを1冊買って(あるいは図書館で借りて)読んでおきます。

 次にカテキズムを読みます。カトリックとプロテスタントのものを1冊ずつ読んでおくと、両派の共通点と相違点がわかると思います。

 カトリックであればカトリック中央協議会から出ている「YOUCAT――カトリック教会の青年向けカテキズム」、あるいはバチカン公認の「カトリック教会のカテキズム要約(コンペンディウム) 」がおすすめです。

 プロテスタントについては古典的なものとしてルターの「小教理問答」や、改革派の「ウェストミンスター信仰基準」「ハイデルベルク信仰問答」などがあります。

 次に聖書学の本を読みます。新約聖書については、田川建三の「書物としての新約聖書」を読んでおけば基本的なことはすべて書かれています。

 ここまでたどり着いたら、改めてまた新約聖書を通して読んでみてください。以前よりずっと深く、聖書を読めるようになっているはずです。

0 件のコメント:

コメントを投稿