2015年2月19日木曜日

新約聖書・旧約聖書・新世界訳聖書の違いは何ですか?

 新約聖書・旧約聖書・新世界訳聖書の違いは何でしょうか? なぜ「約」と「訳」という2種類の字が使われているんですか?



 旧約聖書や新約聖書の「約」は「契約」という意味です。

 旧約聖書は神と人とが結んだ旧い契約で、具体的にはモーセがシナイ山で神から受けた律法のこと。旧約聖書はこのシナイ契約に至るまでの人間の歩みと、シナイ契約を守ると言いつつ守ることができず、しばしば神から懲らしめを受ける人間たちの歴史が描かれています。ユダヤ教の正典になっているのは、この旧約聖書の部分だけです。

 新約聖書は神と人とが結んだ新しい契約で、具体的にはイエス・キリストの十字架の犠牲と復活のこと。イエス・キリストの死と復活を通して人間たちは神と新しい契約を結び、旧い律法(シナイ契約)は破棄されました。ただしこの新しい契約の根拠となったのは旧契約ですから、キリスト教では新しい契約(新約聖書)と同時に旧い契約(旧約聖書)も大切にします。旧約聖書と新約聖書を合わせてキリスト教の正典、聖書となります。

 旧約聖書は原文がヘブライ語、新約聖書の原文はギリシャ語です。ですからこれを、それぞれの言語に翻訳しなければなりません。現在日本で広く用いられている日本語訳聖書には、日本聖書協会の新共同訳(プロテスタントとカトリックの学者が共同で訳した)、いのちのことば社から出ている新改訳などがあります。これらの聖書以前には、日本聖書協会から出ていた口語訳や文語訳も広く用いられ、これらの聖書は現在でも発売されています。

 新世界訳もこうした翻訳聖書のひとつで、翻訳の主体になっているのはキリスト教正統派から「異端」と言われているエホバの証人。彼らの信仰内容に合わせて、聖書本文を無視した翻訳が行われている部分があると言われています。

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